おわら風の盆 ~うつつ~



遅ればせながら「おわら風の盆」の2回目をアップさせていただきます。
いつもの「明日香ふぉと」とはかけ離れた内容となりますがもう1回だけお付き合いください。
今回は旅行記風に・・・・









前日に富山県入りしてゆっくり過ごし、宿の最寄り駅JR高山線「笹津」駅より八尾を目指します。
神通峡の入り口に位置する笹津はご覧のとおり背後に山並みがせまるロケーション。
普段なら2両編成で運行されている列車も、風の盆の始まるこの日は4両編成でやってきました。
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10分ほどのローカル線の旅の後14時頃に「越中八尾」駅に到着。今日から始まる3日間の風の盆本祭にむけ、
街では着々と準備が進められていました。土産物屋を冷やかしながら八尾の旧町を目指します。
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15時の風の盆の幕開けは下新町の八尾八幡社で迎えました。初めて見る風の盆の舞い。
編笠からわずかにのぞく踊り手の視線と色香ある指先が見る者を優美な世界に誘います。
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一方ではこんなに可愛い踊り手が。風の盆の将来の担い手にとってもこの3日間が晴れ舞台。
小学生くらいでしょうか。幼少のころから風の盆の世界で育つとこの歳でも踊りがいたについています。
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八幡社をあとにし坂の街を上がっていくと今町の町流しに出逢いました。写真のように地方(じかた)の演奏とともに踊り手たちが
おわらを踊りながら町内を練り歩くものを町流しといい古来からのおわらの姿を伝えるものとされています。
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風の盆は八尾町内の11の地区(支部)がそれぞれの支部ごとに自主的に行っています。
支部によって街の景観も変わりますし、着物の柄が違ったり独特の節回しがあったりしますので、
色々な支部を渡り歩くのも楽しみ方のひとつです。写真は東町の輪踊りを切り取ったものです。
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始まって1時間もたたない頃だったでしょうか、ポツリポツリと降りだした雨が徐々に雨脚を強めてきました。
雨が降ると屋外で行われる町流しや輪踊りは中止となります。風の盆で使われる胡弓や三味線は水に弱いので仕方がありません。
けれども文句を言ってはいけません。中止を一番残念に思うのは誰でもない、この3日間を一番楽しみにしてきた八尾の町の方々なのですから。
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降りしきる雨の中、聞名寺(もんみょうじ)境内では地元八尾以外の方々で形成される「越中八尾おわら道場」が舞を披露しておられました。
本来、町の揃いの浴衣を着て編み笠をかぶって踊るのは町内在住の25歳までの未婚の成人女性という決まりがありますが、
ここ聞名寺での踊りは八尾の支部の方々ではありませんのでその決まりは当てはまらないようです・・・
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今日の風の盆はここまでかと諦め坂を下りはじめたかけたその時、
西の空がうっすらと明るくなり遠くの山並みが見えてきました。
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街並みの雪洞に明かりが灯り始める頃には雨はすっかりあがり、待ちに待った夜の部の始まりです。
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石畳の緩やかな坂道に古い家並みが立ち並び、道の両脇にもうけられた雪解けの水を流す「えんなか」と呼ばれる用水路から
水音が聞こえる諏訪町は「日本の道百選」や「日本の音風景100選」にも選ばれており11の支部でも随一の人気の町。
平日で夕方に雨が降るという人出が少ないであろうこの日でも写真のような混雑ぶりでした。
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古い街並みに雪洞の灯る石畳の坂道。町流しを見学するには最高のシチュエーションではありますがその分ここの人出はけた外れ。
大きな声で口々に発せられる世間話。禁止されているにも関わらず焚かれるストロボの嵐。醜い場所争い。
残念ながら風の盆の風情を楽しむには程遠い環境であり、風の盆を見させて頂く側のモラルを考えさせられる場となりました。
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上新町の公民館で行われていた舞台踊りを横目で見ながら向かった先は鏡町。
高台の町を象徴するおたや階段前で行われる踊りは諏訪町と並ぶ人気スポットです。
夕方の雨のせいか、午前中から場所取りがなされるという特等席に空きスペースがあり最前列から鑑賞することが出来ました。
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かつて花街として賑わったこの町の踊りは芸妓踊りの名残もあり艶と華やかさには定評があり、
毎年ここ鏡町を目的に風の盆に通う方も多いと聞きます。
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浴衣の柄から「雲」と呼ばれる鏡町の青年団の女性踊り手。白地に青い雲の紋様がライトに照らし出される様子は妖艶そのものでした。
写真のような男女が絡む踊りはここ鏡町が発祥とされているようです。
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23時以降は町の方々が自分たちのために唄い、奏で、踊られます。残念ながら笹津方面に向かう最終列車の発車時刻は23時30分。
翌日以降の旅程を考え後ろ髪をひかれる思いで八尾の町をあとにします。そして風の盆が本当の姿を取り戻すのはこの時間から・・・
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2014.09.01  富山市八尾町にて
***
明日香ふぉとでは異例の旅行記。
本来の形から逸脱した内容に
長々とお付き合い頂きありがとうございました。
次回から普段の明日香ふぉとに戻ります。






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by shinrajuku | 2014-09-11 18:30 | 遠征 | Comments(16)
Commented by ei5184 at 2014-09-11 18:58
初めて「風の盆」を訪ねられたとは思えないほど、良く研究されています。
しかも好い所を押さえておられます!
私は通い始めて10年になろうとしていますが、未だにウロウロしています(笑)
私とは違う視点の違いを楽しませて頂きました。
どうです、来年は深夜のおわら「風の盆」にトライされませんか!?
Commented by dendoroubik at 2014-09-11 20:33
ホントに ジーンと余韻の残る 
すばらしいお写真ばかりですね!
雨さえ 情景に彩りを与えるために降ってきたかのようです
Commented by nararanran at 2014-09-11 21:24
やっぱ、いいねぇ~(*^_^*)
一番最初に風の盆を見に行った日を思い出しました。
あんなに感動したコトがないくらい感動した日。

そんな思い出に浸れた素敵な写真
ありがとうございます(*^_^*)
Commented by せんべぇ at 2014-09-11 22:00 x
まさか鏡町でお話させていただいた方だったとは(^^)
shinrajukuさんの視点に追従して、おわらを再び楽しませていただきました。
来年はぜひ深夜を!別物です。めっちゃええですよ。その時はいっしょに清酒「風の盆」を飲みましょう(^^)!
Commented by susatan at 2014-09-11 23:07
こんばんは♪
噂にきく 風の盆を 垣間見させていただきました。
読み終えて とてもよい余韻が 心にあります^^
 
三枚目の写真に ハートを射抜かれ
最後の写真が どの写真よりも艶っぽく見え 撃沈しました^^
Commented by shinrajuku at 2014-09-12 10:24
eiさん、おはようございます。
憧れつづけた風の盆ですから下調べには熱が入りました^_^
初めてだけにまずは広く浅くと思い予定を立てましたが、
eiさんのようにウロウロするのが本当の楽しみ方だと思いました。
次は深夜に照準を合わせウロウロ楽しもうと思います。
実は9月2日が我が家のちょっとした記念日になっておりまして、
9月初旬は色々なところに妻と旅行に出るのが恒例になっています。
さて、来年以降どうしたらよいのやら・・・思案中です。
Commented by shinrajuku at 2014-09-12 10:30
dendoroubikさん、おはようございます。
いえいえ、そこにあるものを撮っただけ的な写真ばかりで・・・お恥ずかしい。
今年初参戦だったので、次回はもう少しひねった写真を撮りたいです。
ボクは皆さんの写真で余韻に浸っております^_^
Commented by shinrajuku at 2014-09-12 10:41
らんさん、おはようございます。
なんだかあっという間の1日で、もっとゆっくり過ごしたかったです。
しかしあの町を行ったり来たりするのは体力と気力がいりますね~
歳を感じました^^;
Commented by shinrajuku at 2014-09-12 10:56
せんべぇさん、おはようございます。
ブログを拝見すると1日の行動ルートがほぼ同じなようで、
他でもどこかでお会いしていたかもしれませんね。
せんべぇさんの撮られた写真を見るにつけ、深夜への思いがふつふつと湧いてきます。
eiさんへのリコメにも書いたように、来年以降をどうしようか目下の悩みの種です^^
その際は清酒「風の盆」を是非!!
Commented by shinrajuku at 2014-09-12 11:12
susatanさん、おはようございます。
今回初めて風の盆を訪れてみて、
この行事の雰囲気がsusatanさんの写真と文章にぴったりな気がするんです。
susatanさんの風の盆を見てみたい。是非一度訪れてみてください^^
Commented at 2014-09-12 15:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mmpphoto at 2014-09-12 18:18
いいですね~
これは病みつきになるでしょうね~
編笠で顔が見えないのが魅力的に感じます。
何とも不思議な空間です。
Commented by 嶺、 at 2014-09-13 09:10 x
おはようございます、おわら風の盆は何回拝見してもいいですねー 現役時代は取材で昨年行きましたが、今年はヤブ用で行けず残念です。素晴らしい写真に感動してます ありがとうございます。
Commented by shinrajuku at 2014-09-13 14:49
鍵コメさん、コメントありがとうございます。
風の盆、想像通りの素敵な空間でした。
前日の31日(富山入りした日)にも八尾の町を訪れましたが、
あちらが本来の八尾の姿なんでしょうね。
本当はご自分たちのための行事のはずなのに、我々部外者を安全に楽しませるために、
色々な準備をされていることに頭が下がります。
次回お伺いする際にも見させていただいているということを決して忘れずに拝見させていただきたいと思います。
鍵コメさんのブログもゆっくり拝見させていただきます。
どうぞ今後ともよろしくお願いします。
Commented by shinrajuku at 2014-09-13 14:55
masaさん、こんにちは。
風の盆、写真では伝えきれません。
たとえば修二会、松明の燃える匂いや火の熱気は行ってみないとわからないのと一緒ですわ。
胡弓や三味線の奏でる音、哀愁をおびた唄・・・・
是非機会があればどうぞ訪れてみてください。
masaさんの体力やったら八尾の町の坂も大丈夫やと思います^^
Commented by shinrajuku at 2014-09-13 15:00
嶺さん、こんにちは。
初訪問だったので、上っ面を舐めただけで終わってしまいました。
もっともっと深く知り、違う角度から風の盆を伝えられるようになりたいです。
いずれ再訪したいと思っています。
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